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2013/04/10

[基本用語] FI記号(えふあいきごう) ってなんですか?


photo credit: Domiriel via photopin cc

おはようございます。


少し前のことなんですけど・・・
講習会の質疑応答タイムのとき、

「ええと・・・えふいちきごう、でしたっけ?」

と、切り出してくださった方がいらっしゃいまして。


そう、FI記号(えふあいきごう)のことです。


確かに・・・!
先入観なしに見たら、FI なのか F1 なのか、 
かなり、まぎらわしいかも!


と思った酒井です。

#検索エンジン対策に 「F1記号」って書いておこう・・・φ(・・*) ←謎の行動。



今日は、そんな FI記号(えふあいきごう) の解説をいたします。

「ちゃんと知ってるよん」という方は、
お約束の「バックオーライ♪」で、お願いいたします。




photo credit: waterlilysage via photopin cc


FI記号。しつこいようですが 「えふあいきごう」 と読みます。


◇ どんな分類?

IPC(国際特許分類) を、日本特許庁が細分化して作った分類です。
日本特許庁が作った、ということは・・・日本独自の分類なんですね。



細分化、ってどういうことかって?

こういうこと↓です。 (クリックでもう少し大きくなります)


左がお茶の「国際分類」  右はお茶の「FI記号」です。

同じ 3/06 (囲み線の中)を比べると、

3/06 ・抽出前の茶の処理

という所は同じなのですが、
右のFI記号の方が、とても細かく分かれていますよね?

これが、「FI記号はIPCを、更に細分化している」 ってことです。



余談ですが。 (余談大好き~!笑)

IPC(国際特許分類)は、ドイツ分類の流れを汲んだ、ヨーロッパ生まれの分類です。

イギリスでは紅茶を飲む、というものの、
それはインドや中国から製品を輸入するもの。

だからIPCの「製茶技術」って、そこまで細分化する必要もなかったのかな?って思います。


でも、日本では違いますよね!

photo credit: don.lee via photopin cc

同じ緑茶でも、抹茶に煎茶。
玉露にやぶきた、かりがね、焙じ茶と・・・

栽培方法も、使用する部位も、製茶方法もさまざま。

3/06 ・抽出前の茶の処理

・・・なんて一言じゃ、分類しきれませんってば!


とまぁ、

歴史的背景や技術の進展具合が、欧州とは大きく違う

という部分も、FI記号成立の背景になっている、と言われます。


◇ どうして「FI記号」っていうの?

File Index (ファイルインデックス) の略、と言われています。

特許庁が過去分の公報を分類して、紙でファイリングしていた時代のインデックスに由来するようですよ。


◇ どうして「FI記号」が大切?

現在、日本の特許出願に分類付与が行われる際、
FI記号が基礎情報になっているから、です。


出願→公開公報の段階では、
下記のような順番で分類が付与されているそうですよ。



◇ FI記号って、出願のどこを見て付与しているんですか?

あっ、これ大事です!

「発明の技術的主題を把握して付与」って言われるんですけども・・・
ちょっと漠然としていますよね?

発明の技術的主題 ≒ 特許請求の範囲 +技術的思想、主要実施例を加味

です。※

※ 出典はこちら
http://www.jpo.go.jp/torikumi/ibento/text/pdf/h24_jitsumusya_txt/02.pdf
「平成24年度知的財産権制度説明会(実務者向け)テキスト」 の 
 2.特許分類の概要とそれらを用いた先行技術文献調査
   1.3 分類すべき事項またはインデックスすべき事項 (15頁付近)


特に公開段階では、請求項1がとても広い場合も・・・ありますので (^^;
明細書に記載された技術的主題を把握するよう、ガイドラインが設けられてます。


◇ 何か注意点は・・・?

そうですねぇ。。ふたつほど。

ひとつめ。

分類を探す時の話、なんですけど、
いくら「良さそう」でも、IPCから探すのは避けた方がいいかな。。

分類を探すなら、
まずFI記号を特定、続いてIPCやFタームを特定、の順番がオススメです。

この話をすると、超・長い話に発展しかねず、
[基本用語] どころではなくなるので、またの機会に。(ごめんなさ~い)

ここでは 「まずFI記号を特定、が定石」 と覚えてみてくださいませ。



ふたつめ。

一昔前は、再公表特許 (PCT日本語出願→日本指定) は
FI記号の付与対象外、なんて言われていて、
IPCを併用して検索する、って話がありましたが、

※ これ、最近まで私も言ってました。
  ま、心配なら併用し続けても、特に害はないです。。

実際に検索して、統計をとってみると、
最近は、再公表特許の発行時点で、ちゃんとFI記号がついてます。
直近ではなんと100%! (←再公表特許の発行日 2013年1月~3月のデータです。)

なので、再公表特許に関しては、
昔ほど神経を使う必要もないのかなぁ・・・なんて。


あっ、PCTの日本語国際公開は (再公表じゃなくて!)
日本語で書かれていても、日本の公報ではないので、
FI記号はついていません。

国際公開段階のWO公報を分類で検索するなら、IPCを使いましょうね。



それでは!

アデュー



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