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2014/08/20

[小技] 公報査読、7つのTips




公報査読。
検索した後に、公報を読むってことですね。(←当たり前)

検索式作成とは違ったタイプの神経を使いますし、
一般的に、検索式作成よりも はるかに長い時間がかかります。



そういえば、前職の先輩が時々

「査読をスタートしたんだけど、良い資料(又は大ハズレの資料)が出てきたりするうち、
何だか、自分の中の抽出基準が変わってきちゃってさ。」

なんて言ってたのを思い出します。


そういう事って、人間の機能(?)としては普通なんだろうな~、と思う反面、

「自分だって、作業中にブレる可能性はあるのだから、
(調査種別によっては) 基準が変わらないように気を付けないと!」

とも思うわけです。
※無効化調査だと、基準が変わるのはアリ。
※侵害予防系や技術動向系だと、基準は安定していた方が良いですよね?


ですので、査読の作業中には「ちょっとした小技」を組合わせて使ってます。

どんな方向性の小技か、と言いますと

 ・ 人間の集中力は有限。 特に私の集中力は「ちょびっと」ですわ。るるる~
 ・ 査読中は、短期記憶力も全然使えない。 これって私だけ?
 ・ 査読の基準は、油断しているとブレるもの。 にんげんだもの。笑

と思っていて・・・それを何とかしようとしている系、とでも言うのでしょうか。
記事の続きから、そんな小技を7つ、公開します。

結構長文です。気合い入れてどうぞ(微笑)



1) 「ソートしたら、うまくいくかな?」 と考える


延々と公報を読んでると 「あれ?前にも似たようなのあったかも?」って思います。

そんな時
「かなり前に見た、似たような公報」と「目の前にある公報」とで、
違う評価を付けてるんじゃないか・・・?

と、自分を疑いはじめたり、
リストを遡って、前の評価を確認してしまったり。
そんな時間がモッタイナイ気がします。

対策として、
似たような公報が集まるように・・・と考えて、
あらかじめ、集合に「ソート」をかけて査読をします。

順番は 「出願人→発明者」 とか 「筆頭IPC」 などが多いです。
他にも、有効な並べ替えがあるかもしれませんね(^^)


2)先に「大当たり集団」を読んでしまう。


私の作る検索式では、大抵 
「大当たりの集合」とか「漏れ防止」とか、部分集合のカラーを持たせています。

その中だと・・・「大当たりの集合」を先に読む事が多いです。


理由は、文章だとうまく言えないんですが、
こんな感じ? ↓



「大当たりの集合」は、短時間で読み終わる事ができ、
かつ、多くのヒット公報に出会える可能性が高いんですよね。

すると、脳内に「この調査でのヒット公報のイメージ」 とか
「注意すべき出願人」 「抽出のポイント」 などを、早く作ることができ、
作業効率が上がるような・・・気がします。 (気のせい、だったらごめんなさーい!)



3)ハイライト機能を利用 (画面上で査読する場合)


これは、利用されてる方も多いかも!

調査テーマによっては
ハイライトのついた語の周辺から読み始めると、
単純に査読効率が上がるケースがありますね^^



4) 白黒つかなければ 「積極的に保留」


「保留」。 これは侵害予防調査で、よく使う方法です。

自分は「スピーディーに読む作業」と「落ち着いて読む作業」
緩急が混じると、作業がやりにくく感じられます。

そこで、こんな風に作業モードを分けてます。


1回目はスピードモード。

無関係な公報をどんどん除外する、に集中します。

「無関係」と言い切れないものは、全部「保留」にして残します。
また、気になる公報があって「読みたい!」衝動を感じても、グッと我慢で。


2回目以降は、落ち着いて査読。

文字通りの査読です。
この段階で、落ち着いて公報の内容を確認します。


ちなみに、2回目でも迷ったら、何度でも「保留」に入れなおすようにしてます。


2回、3回と読む公報も出てくるので、
トータルでは時間がかかってる可能性が大、ですが、
自分の中では 「安心して読める方法」 です。



5)「どこ」を「どうやって」見たら早いかな? とシミュレーションする


さっきの「保留」は、侵害予防調査。
こちらの「シミュレーション」は、無効資料調査でよくやります。

「先行例があるとしたら・・・どんな公報の、どの部分に書いてあるかな?」と、
頭の中で想像します。 (架空の明細書を作成する感じかも)

「絶対、図面があるはず」 とか
「特定の材料名が出てこないと、条件が成立しない」とか、
何かキーが出てきたら、そこを査読のヒントにします。

たとえば・・・

「絶対図面があるはず」だったら、
検索結果の公報の、全図面を一挙に確認する事もありますし、

「特定の材料名がないと・・・」 であれば、
3)のハイライト機能を使う、という具合です。


要するに、

無効資料調査なら、公報を先頭から一文字ずつ追うより
早く糸口を発見する方法がある

といったところかと。


6) 道具(データベース)を持ち替えてみる



「検索と査読で、同じデータベースを使わなければならない」
・・・なんて決まりはありませんよね?

検索しやすいツールと、
査読しやすいツールは別、かもしれません。
※もちろん、両方を兼ね備えているのが、一番ですけどね!


私の場合・・・

例えば侵害予防調査の際、
海外特許のクレームを読みやすい、と感じるのは

Espacenetです。(メジャー国限定ですが)


その理由は、クレームツリー表示が優秀で、
クレームの折り畳みができるから。


クレームツリー機能は、口では説明しにくいので・・・
こちらのリンクから、体験して頂くとわかりやすいかと思います。(手抜きですみません!)
Espacenetのレコードが開きます。
クレーム2以降の表示/非表示を、切り替える事ができます。


また、こちら↓は、Espacenetの同ページ最下部にある、ツリー表示。


数字をクリックすることで、各クレームを表示することもできます。
クレーム数が50、100・・・ともなると、この表示、かなり嬉しいのです。






7) 強制的に休憩する


体力も集中力も、残念ながら「ちょっぴり」の私。
査読の日は、タイマーをかけて意識的に休憩します。


少し前に流行った 「ポモドーロ・テクニック」
25分作業して、5分休む、というサイクルを採用しており、
今は、ブラウザで動く Strict Workflow というタイマーを使ってます。


また、5分間休憩にメールチェックとか、ブログチェックなどしてしまうと、
結局パソコン前に座りっぱなしになり、
いまいち気分転換になってないような・・・気がするので、


最近は「5分限定・小そうじ」 などをするようにしてます。

トイレの床だけ磨きに行く、とか、
外の掃き掃除だけして、机に戻ってくる、とか。

仕事場もキレイになるので、この「小そうじ」はかなり気に入ってます。


・・・・・・・


以上、7種類ほどアップしてみました。

これらは、一挙に全部使うのではなくて、
1種類だけの時も、3種類合わせ技の時などもあります。

序盤に 2)を使い、途中からは 1)と4)と7)の合わせ技、って感じですね!


何か、拾っていただけるものがあれば幸いです。
それでは♪




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