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2015/10/30

[特許庁より] 異議申立 「うそ!?ざんね~ん!」な注意事項


こんにちは。サーチャーの酒井です。

先ほど、J-PlatPatには掲載されていない
旧パテントマップガイダンスのデータを見ようと、
特許庁(JPO)のサイトにアクセスしまして


その際、今日アップされたお知らせ
特許異議の申立ての状況、手続の留意点について
の見出しが、目に留まりました。


ちょうど、「新しいタイプの商標」も話題になったばかり。

異議申立はどんな状況かな? と、少し気になったんですよね。



本文を見ましたら・・・

平成27年4月に施行された特許異議の申立ては、施行後の特許掲載公報発行から6月の特許異議申立期間を経て、申立ても増加し、以下のとおり、100件を超えたところです。

との事でしたが、

その下に、
残念すぎて、目を覆いたくなるような注意事項がー!(>_<)



・・・この件、熱く語ってしまうかもしれないので(謎
折り畳みまする。






ここなんですけど・・・(太字・赤字は酒井が編集しました)
2.特許異議申立書の手続の留意点について

以下のような事例が多く発生しております。
  • 正本と同様に副本にも朱肉を用いた押印が必要であるが、押印がない又は押印がコピーとなっている
  • 副本は特許権者の数+1通の提出が必要であるが、副本の数が足りない
  • 証拠を提出する場合は「審判便覧34-01 証拠提出に関する書類の点検と注意事項 4.文書 (PDF 267KB) 」に提出が必要な部分が提示されているので、よくご確認ください。
    不備例)
    • 証拠として提出された図書、雑誌等の公知日が特定できない(表紙や奥付がない)
    • 証拠として提出されたパンフレット等の頒布時期、発行時期が確認できる資料がない
    • 証拠として提出された文献の翻訳文が添付されていない


・・・・知財寺子屋シリーズや、
JIPAの研修の「無効資料調査」の巻では、
毎回お伝えしているので、
受講頂いた方は、たぶん大丈夫かと思いますが、


図書等の公知日が特定できないって!?

パンフレット等の頒布時期、発行時期が確認できないって!?

それ、
証拠として、全く意味がないですよねーー?(驚)



もしかして (違うと思うけど)
旧異議申立を経験していないから・・・?

いえいえ、

無効審判などでも、条件は一緒だったはず。。。




日付が特定できない資料を提出するとか、
意味がわかりません。。。(^^;)

弁理士さんだって、
ついていらっしゃるでしょうに・・・(汗



大半の方には、
「釈迦に説法状態」だと思いますが、
一応、どんなものが必要か 書いてみますね。


証拠として提出された図書、雑誌等の公知日が特定できない(表紙や奥付がない)

・・・まず、表紙は問題ないですよね?
書籍や雑誌の表紙を複写します。


次に奥付(おくづけ)。

書籍でしたら、裏表紙をめくったところの
発行日が書いてある、このような↓ページが奥付です。


まるっと1ページコピーし、添付して頂きたいのですが、

ちょこっと注意点があります!

上の画像ですと、第1刷から第5刷まで、4年弱経過していますよね。

また、このページをコピーしている、ということは?
「コピーしたこの本は、平成26年に出た第5刷」 という事になります


この場合、簡単に言うと・・・
「この本の公知日は、平成26年4月4日」 になります。
列挙されている、最新の日付です。


「え~?最初に出た平成22年じゃないの?」 と思われるかもしれませんが、


もしかして・・・
先行例として使いたい、と思った箇所は、
増刷の時に、改訂で差し込まれた内容かもしれませんよね?

だから 公知日=この(コピーした)版が印刷された日 として扱われます。


ですので、
日付が微妙になってしまう場合は、

第1版第1刷

をコピーされると安心です。

※第1版第1刷は、
※一般には国立国会図書館に納本されてます。



次!
雑誌でしたら・・・一般的には↓こんな風に


裏表紙の隅あたりに、発行日が入ってます。
「ここだけ」ではなく、裏表紙全体をコピーして添付します。

※書籍の奥付のような形式で
発行日を記載している場合もあります。



次!カタログ・パンフレット類
これが結構厄介なのですよー!

証拠として提出されたパンフレット等の頒布時期、発行時期が確認できる資料がない

例えば・・・ネットで見かけた、3M様の建材カタログを例にします。


これ、裏表紙の隅をよーーーく探すと


2014年10月発刊、と書いてあります。
これはラッキーな例でして・・・



次はラッキーじゃない例です。

なんか悪い例みたいで心苦しいけど
セイコーウオッチのカタログ。
このカタログは、発行日が書かれていないのです。


裏表紙の右下隅に・・・



15.09 ってあり、


「2015年9月版ですぅ!」 って言いたい気持ちになりますよね?
(・・・で、実際にそうだと思うンですけど・・・社内的には。)


ところが、
特許庁への提出書類、として考えると

「それって本当に日付ですか?」

「たまたま、年月とも読めるだけで、
社内の通し番号か何か、って可能性もありますよね?」

ちーん!終了~! でございます。。(泣


・・・このような場合

雑誌(日付がわかるもの)に載っている、
同機種の広告ページと抱き合わせで使う、などの手立てで日付を証明します。



ちなみに、日頃から裏技を実行されている企業さまもあります。
裏技なので、気になる方は、酒井に直接遭遇した時にでも「どんな技?」って聞いてください。



・・・というわけで、


カタログ、パンフレット等は、
日付(公知日)の証明、結構厄介だったりいたします。

書籍・雑誌も、
うっかり日付コピーを忘れたら 「ざんねーん!」 ですよね。




皆様、お気をつけください!



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