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2012/06/01

誰もが悩む「調査のやめどき」-侵害予防編(1)

photo credit: gem66 via photo pin cc

2日続きの講習・打合せを終えて、今日は長野内勤DAYです。



講習会で、よくご質問をいただく内容に、

調査の『やめどき』 で、いつも悩んでしまいます。」

というものがあります。


・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・ ごめんなさい。
私、正直いうと、あまり悩んだ事ないんです(←え゛?)


もしかしたら、皆さんとは
少しだけ考え方、アプローチが違うのかも・・・?
って気がしてきました。


場面によって、アプローチが変わるので、
今回は 「侵害予防調査」 の場面について。
何回かに分けて書きます。


●侵害予防調査の性質

「性質って "製品販売前などに、特許侵害を未然に防止するため"って事ですよね?」

ええと、それは性質ではなくて 「目的」 ですかね~? (微笑)


この記事では、

 ・ 他の商品・サービスに例えた 「性質」
 ・ 検索特性としての「性質」


について、考えてみます。 今日は 「他の商品に例える」話から。



○ 他の商品・サービスに例えた 「性質」

私は、侵害予防調査は 「保険」 と捉えています。


自動車保険、火災保険、スポーツ保険など、
何かの 「リスク」 に備えて、保険をかけるもの、です。

何か(事故・ケガ等) が起こるかもしれない。
起こらないかもしれない。
実際のところ、何もない事の方が多いかもしれませんね。


ちなみに、この保険(=侵害予防調査)
 「積み立て」 がきくか?というと・・・

1回の調査は、次の製品に流用しにくい場合も多いので、
基本は 掛け捨て系 の保険かもしれません。

ですが、同一分野で、何度か調査をする事で、
 「他社特許情報」「検索手法」 などの、情報蓄積ができます。
ですので、貯蓄性も持っている と考えていいと思います。



次に、自動車保険と大きく違う部分 を説明します。



自動車保険ですと 「対人」「対物」「車両保険」 などと、
起こり得るリスクの種類は、ほぼ特定されています。

でも、
「万が一、事故が起こってしまうとしたら、
  どのメーカーの、何色の車 が相手。
  運転者の性別と年齢は・・・」

って、そんなものわからない(笑) ですよねー。


万が一の時、スムーズに保険が支払われればそれで良いのですし、
相手の車種を事前に知るとか、意味がないですよね?




では、侵害予防調査 の場合はどうでしょう?

「相手は 『登録特許』 だから、登録特許を全部見れば・・・」 (え゛ーっ!)

・・・・ってわけにもいきません。



ここが自動車保険などと、一番違う部分。

「仮に侵害が発生するとしたら、どの領域に一番リスクがあり得るか。

と考えて調査していきます。
これが、仮説を立てる(座学講座やってます♪)とか、
調査設計と言われるものです。




今度は、自動車保険と似ている部分 を説明します。


自動車保険に似ているのは、保険金のかけかた (件数の決め方) です。


たとえば・・・
わかりやすく、こーんな車(↓新車)だったら、

photo credit: marcp_dmoz via photo pin cc

なんかもう 「車両保険もごっそり掛けていそう!」 ですよね。


特許調査だったら、

  ・ 社運をかけた、期待の大型商品! これから10年は屋台骨になってくれるはず。
     そのためにも、がっつり調査するぞーー!(熱)

的な感じ。



じゃあ、こんな車だったら?


photo credit: m'sieur rico via photo pin cc



・・・・対人・対物など必要な保険は掛けるけど、
車両保険は、かけてないかもしれない、って感じです。
※ クラッシックカーなどは、また別ですYO!


特許調査
だったら、

 ・ 半年ごとに少しずつモデルチェンジしている、継続商品。
   過去に調査した事あるし、半年後にはまた仕様変更するから、
   今回の設計変更部分に絞って、調査しよう。(クール)

みたいな感じ。
この、トーンの違いです。



そうなんですが・・・・


たぶん、皆さん悩まれているかも?と思う、ひとつの要素が


> 自動車保険などと、一番違う部分。
>「仮に侵害が発生するとしたら、どの領域に一番リスクがあり得るか。

です。


車両保険だったら 「300万円分」 とか 「掛けません」 とか、
比較的、あっさり&キッパリ決められます。


が、


これが特許調査になると、

「この製品が、新車のベンツなのか、10年ものの軽自動車なのか、
 そこは、よーーーくわかるんだけど、調査範囲が決めにくい。

って感じなのかな? と。



私の考え方は、こうです。

 ・ 「保険額(調査規模・件数)」 と 「調査範囲」 を分けて考える

 ・ 決めやすい 「調査規模」  から、まず先に決める

 ・ 「調査規模」 の中で、最良の 「調査範囲」 を取るようにする。


長くなったので・・・また来週~!



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