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2018/08/31

[質問] J-PlatPatで「生きている特許のリストアップ」をする?



こんにちは!サーチャーの酒井です。

今日は、メールで質問をいただきました。(ありがとうございます☆)

J-Platpatには生死情報はないと思いますが、ある企業の現在活きている権利をリスト化したいときとか何か方法があればご教示ください。

思いつくのは、出願日、登録日を20年前にしてリストアップして、後は1件づつ経過情報を見ていくくらいです。

おおー。
どうしましょう?

ご質問の冒頭が「J-PlatPatには」でしたが、

ここはおそらく
「無料の方法で」
と置き換えてお答えしても、いいのかな?と判断いたしました。


そうなのですが・・・


私の答えは「否定的」 ~ 権利譲渡にご注意を


ご質問くださった方が、
どちらの企業のリストアップを念頭に置いているか?は不明なので、

「ご質問を拝見して、最初に思ったこと」を書きますね。


多少の手間を厭わなければ
J-PlatPatでも、他のツールでも「リストアップだけ」は可能です。

ですが、J-PlatPatを使った場合、
現在の特許権者を検索できないことがネックになる、と思うのです。


例)特許第4607946 (リンク先:J-PlatPat)

こちらの特許
登録公報発行時の特許権者は パシフィック・バイオサイエンス
(譲渡後)現在の特許権者は ロレアル
なのですが、

J-PlatPatの特許・実用新案検索の場合、
公報記載の出願人/権利者しか検索できません。
登録後の譲渡は検出できないはず、です。

会社名で書いてみると、
現在「ロレアル」の特許リストアップを検討している。
J-PlatPatで 出願人/権利者=ロレアル で検索した場合、

上記特許第4607946は、ロレアルが所有しているが、ヒットしない(漏れる)
ということになります。

※ちなみにですが、上記の特許第4607946も、
※商用データベースを使い、
※「登録時点と最新の特許権者とが異なるもの」という条件で探しています。




上記の理由から、
ライセンス、権利行使などに関連するケースでは、

「経過情報や、譲渡後の権利者データを
 検索できるデータベースを使いたいですよね。」

と、個人的には思います。


上記を踏まえつつ・・・


■まず、J-PlatPatの場合。

残念ながら、ご質問にある「思いつく方法」の通りだと思います。

「リストアップして、1件ずつ経過情報を見る」です。


他の無料ツールを使うとどうなるのか? は、
記事の続きからどうぞ。(折り畳みます)




■Espacenetの場合

特許リストだけなら、Espacenetが作りやすいように思います。
(英語になってしまうけど)

Excel/CSV出力機能があるし、
Excel形式だと、Espacenetへのリンクが入るのも便利です。
(1回の出力上限は500件です)

ですが、INPADOCリーガルステータスは出力してくれませんし、
日本特許は、リーガルステータスデータ自体が乏しいので、

経過情報に関しては、Espacenetを使うよりは、
J-PlatPatで1件ずつ見た方がいいと思いますね。。


■KIPRIS(韓国語版)


KIPRISって、韓国特許に関しては
ステータス情報を出力してくれるんですよね!

で 「韓国語版インタフェースのKIPRIS」に (ややこしい・・・)
日本特許データが入っているので、
どうかな?と思ったのですが、

世の中、そんなに甘くはなかったです。(笑)
日本特許のステータス情報は、持っていませんでした。残念ーー!
KIPRISは使えません。


■Google Patents


画面遷移の数(クリック数)?でいうと
Google Patentsも楽かなぁ、とは思います。(英語ですけど)

たとえば、この番号。

例:特開2000-031861
https://patents.google.com/patent/JP2000031861A/ja?

画面を開いて キーボードから [END] を押すと
ブラウザ画面の一番下に行くかと思います。(Windows系の場合。)
(  Macだと [command + ↓])

すると、全経過情報が見えます。

J-PlatPatですと「審査経過」と「登録以降」は別タブですが、
Google Patentsなら 両者が一画面に収まっているのもポイントです。


というわけで、
もし、私自身が「無料ツールしか使えない」としたら・・・?
・何らかの方法で番号リストを作成
・GooglePatentsのURLは規則性があるので、URLリストを生成
こちらの記事の方法 で一挙にブラウザのタブを開く
包袋早読み術 を応用して、経過情報を仕分ける
・・・という方法をとるかも、しれません。


とはいえ、冒頭で申しましたように、
無料ツールでは 権利譲渡分の検出が難しいので、

それなりの検索ができる商用データベースを利用するなり、
検索外注をされるなり、をした方が
結局のところ、時間と費用の節約
何より、リスク対策にもなるのではないかしら、と思います。




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