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2012/07/03

[CPC]・・・の基礎知識 (3) ECLAの特徴は「付与」にあり

photo credit: -Porsupah- via photo pin cc

CPC(共同体分類) を理解するために、ECLA(欧州特許分類) をおさらいするシリーズ、3回目です。

前回は 「ECLAはIPCの細分化。この点はFI記号に似ています。」という話でした。

今回はECLAの付与の話。
こちらは、FI記号と似ている点と、FI記号やIPCとは異なる点があります。


● FI記号やIPCに似ている

  • 出願の、発明主題を中心に付与されます。
  • 欧州特許出願には、まずECLAが付与されます。IPCはECLAとの対応表に基づく付与です。 (FIに似ている点)
  • 複数国・機関の公報にECLAが付与されます。(これはIPCに似ている点)


● FI記号、IPCとは異なる

  • 欧州特許庁(EPO)だけが、ECLAの付与をします。
  • ECLAは非特許文献にも付与されます。

今回は 「FIやIPCとは異なる点」、ECLAだけの特徴を中心にみていきます。



欧州特許庁(EPO)だけが、ECLAの付与をします。

IPCもECLAも 「複数国・機関の公報に付与され、検索に使える」 という共通点があります。
但し、分類付与のしくみは大きく違っています。

IPCの場合は、世界各国で使われ・分類付与も各国で行われています。

このため 「国によって付与基準が違う・・・よねぇ?」 「 中国特許に付与されているIPCって、どうよ?」 などと、不便さや疑問を感じた経験のある方も、きっと多いと思います。

ECLAの場合、欧州の公報の他、PCTミニマムドキュメント(英語・ドイツ語・フランス語文献)や、オランダ、ベルギー等の特許出願、非特許文献の一部などに付与されていますが、
これらはすべて欧州特許庁(EPO) で付与を行っています。また、最初にECLAが付与された特許と同じファミリーには、自動的に同じECLAが付与されます。

すべて欧州特許庁で付与する、ということで、国による分類付与のばらつきが出ない点に、大きなメリットがある、とされています。


ちなみに、この記事は CPCの予習 の位置づけですが・・・

CPC分類に移行後、米国特許に対するCPC付与も 「全部欧州特許庁で行います」 というアナウンスが出されています。(既発行公報も含めて、です。)

最初見たときは 「なんて太っ腹な!」 と感動しましたが、
これも、分類付与レベルのばらつきを作らないための措置、と考えられます。



EPOでは、他機関の公報や非特許文献にもECLAを付与しています。

先ほどの説明と重複しますが、
欧州特許庁では、EPOに出願された特許の他に、

  • PCTミニマムドキュメント(英語・ドイツ語・フランス語文献)
  • オランダ、ベルギー、ルクセンブルクの特許出願
  • ドイツ実用新案
  • 上記各文献のパテントファミリー
  • 以上には当てはまらないが、審査引例などに使った各国公報
  • 一部の非特許文献

に対して、ECLAの付与をおこないます。

ちなみに非特許文献というのは 「学術論文など」 です。
欧州の審査官が参考にしたとか、実際に引例に使った文献への付与が多いですね!
今後は実質的に、米国特許が加わるという状況です。


※余談ですが、Espacenetですと、公報発行国コードが XP となっているのが、非特許文献です。ECLAで、ごく普通に検索できるんですよ~。普通の特許などに混ざって出てきます。



今後は、米国特許の既発行公報に対しても、
ECLA/CPCの付与が行われる、という事で、


件数を想像して 「そんな無茶な!」 と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
何と言っても、スケジュールがこれ↓ですものね。
※ 分類表もまだリリースされてないんだけど、来年1月にはCPC移行するよ!というあの話。


それが、意外と無茶でもなくて!

もう、10年ほど前からでしょうか。 (正確なところ、うろ覚えですみません)
米国特許分類に 「Eサブクラス」 というのが設置されています。


詳細は省略しますが、Eサブクラスというのは、
ECLA分類が、部分的に米国特許分類に取り込まれたもの、です。

いや・・・ECLAが米国分類内に出張所を作った、って感じが正しいのかも?


とにかく。
かなり以前から、ECLAと米国分類、一部が連動していまして、
データ交換もなされてきていますので、
今回のスケジュール、そこまで無茶というわけではなさそうですよ!


※ Eサブクラスも、色々と面白いしくみがあるのですが、
    たぶん、CPC移行時に自動消滅(?)すると思われるので、
    今回の説明は省略させていただきますね☆


えっと・・・・3回にわたった ECLAの基礎説明は、これでおしまいです。

次回からは、謎だらけ(うそうそ) の分類、ICO編に突入します。


「ECLAが表、ICOが裏 」 みたいになってますので、
初めて目にする方も、そこまで混乱はしないかと思います~♪

次回は→ [CPC]・・・の基礎知識(4) 「アイコ」って、一体誰なのよ!? ~ ICO / in Computer Only (タイトル長っ!)の巻です。

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ECLA(エクラ) 編 全目次
[CPC]Espacenetの移行は2013年早々。分類表のリリースは10月。
[CPC]・・・の基礎知識(1) ECLA(欧州特許分類)編
[CPC]・・・の基礎知識(2) ECLA(欧州特許分類)はFIに似た分類体系
[CPC]・・・の基礎知識(3) ECLAの特徴は「付与」にあり
[CPC]・・・の基礎知識(4) 「アイコ」って、一体誰なのよ!? ~ ICO / in Computer Only
[CPC]・・・の基礎知識(5) ICOを使ってみる
[CPC]・・・の基礎知識(6) ICOで「今」押さえるポイントはここ
[CPC]CPCの基礎知識 (終) ECLA+ICO+USPC=CPC

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[CPC] 関連資料リンク集はこちら

ECLA(エクラ) → CPC編 一覧はこちら








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