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2019/11/11

EPOPIC 2019 ⑦ ディスカッションラウンドは本当におすすめ


【EPOPIC2019目次】

EPOPIC 2019 ① 開催国ルーマニアの事前情報
EPOPIC 2019 ② ルーマニア に入るルート
EPOPIC 2019 ③ Espacenetのハロウィン検索式
EPOPIC 2019 ④ EPOからも注意されてたのに
EPOPIC 2019 ⑤ Patent Olympiad の前日
EPOPIC 2019 ⑥ 今年も甘味満載のPatent Olympiad
EPOPIC 2019 ⑦ ディスカッションラウンドは本当におすすめ(この記事)
EPOPIC 2019 ⑧ 異国ではたらく審査官の方々
EPOPIC 2019 ⑨ もっと表現力?が欲しい! の巻
EPOPIC 2019 ⑩ AI技術は特許調査をHappyにするか
EPOPIC 2019(終) 端末実習とEPO的検索の世界観



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EPOのPatent Information Conference (EPOPIC) 2019で
「思い切って参加してよかった!」のが
Discussion Roundです。


今回は下記プログラムから
The changing face of prior art searching
 – new media, copyright legislation, defensive publications 
(先行資料調査の変貌)

に参加しました。


・・・とはいえ、どんな事をするのか予備知識もなく、
とりあえず開始直前に、指定された部屋に。


部屋と参加者名簿が貼りだしてあります。



部屋に行くと・・・
丸テーブル+椅子が8脚ほど。 ×4セット。


・・・空いている席に座って、
ディスカッションに加われ、という事らしいです。

※最初から席が指定されているディスカッションもあったそうです。
※「先行資料調査の変貌」は自由席でした。

これは「初対面の方々と英語でディスカッションに参加」って事ですよね。(汗

正直、気持ち的にハードルが高くて
お部屋覗いた瞬間「帰っちゃおうかな」という考えが浮かびましたが
えいっ!と息を止めて着席いたしました。


このディスカッションでは

・新しいタイプのメディア、
YoutubeやInstagram、SNS、Twitter等を先行技術としてサーチした経験はあるか
・その際、苦労した点はあったか
・調査方法や公知日の証明方法などについて、
今後期待する事はあるか

などがテーマになりまして、

その際、EPO審査官の方から伺ったのですが、
EPOのサーチレポートでは、
Youtubeを引用する頻度が急激に上がってきている、とのこと。

例えば「ゲームのプレイ動画に、特定の画面遷移が映っている」点を引用例とする、
といった事例が増えてきているそう。

ただ「プレイ動画のどこに映っているか?」「確実に映っているのか?」はわからないので、
動画の確認に時間をとられてしまう事も多々あって、
審査業務を圧迫しつつある、というお話もありました。


さて、少し前の記事で、参加してよかったのは
1)Patent OlympiadのNetworking Event
2)EPO主催の Discussion rounds
3)EPOの 夕食会
と書きましたが、

第2位がこの、Discussion rounds。
具体的に良かった点として
・非英語ネイティブの参加者が半数以上。
 平易な構文・基本単語で話す方も多いので、英語ディスカッションのハードルが低い。
・他国サーチャーの、実務で使っているツールや苦労・工夫が聞ける。
   (但し、参加テーマに左右されるとは思います。)
・EPOの最新の取り組み、問題意識が聞ける。
などが挙げられます。


私が座った席には、
欧州のサーチャーの方が5名、北米から2名、それに自分の8名でした。

全員、Youtube等のソースでサーチした経験あり。
中には淘宝(タオバオ)、阿里巴巴(アリババ)を探した事のある方もいました。


最初は「帰っちゃおうかな・・・」と思った私でしたが、
欧州の方が過半数で、
特に南欧・東欧からお越しの皆さんは、
比較的ゆっくりと、平易な文法でお話をされていたので
何とか気後れせず、ディスカッションに加わる事ができました。
他国のサーチャーから具体的な業務の話を聞き、質問もできて
非常に勉強になりました。

これが北米でのディスカッションだったら、
きっと皆さん、もっと早口でしょうから、
私、貝のように黙っていたかもしれないです・・・汗

ですので、もし
「ディスカッションに挑戦してみたいけど、ハードル高い・・・」
と思っている方がいらっしゃったら、
初挑戦はEPOのイベントがおすすめですよー!



ディスカッションを通じての感想として、

このディスカッションを設定したEPO自身が、
先行資料調査の変化に苦心しているのだろうな、と感じました。

EPOPIC 2019内で、このような発表もありました。
(スライド18-19付近、Web2.0、ソーシャルメディアの記述が
 ディスカッションラウンドと関連します。)

ソーシャルメディアの「公知資料としての利用」においては
・ソーシャルメディアは先行資料調査の対象になり得るか?
・公知日の証明はどうする?
・現状では検索性がそこまで高くない
などの問題点が既に顕在化していて、
審査への影響も大きいのだそうです。

もしWeb2.0、ソーシャルメディア系の公知資料を
「審査に使わざるを得ない/積極的に使っていく」という流れが主流になれば
データベースも・・・もしかしたら審査の枠組みまでも、
変わらざるを得ないのかも?と思いました。


次の更新では、
スウェーデン特許庁の方と雑談したこと、を
少し書いてみます。


【EPOPIC2019目次】

EPOPIC 2019 ① 開催国ルーマニアの事前情報
EPOPIC 2019 ② ルーマニア に入るルート
EPOPIC 2019 ③ Espacenetのハロウィン検索式
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