初級講座内容の全貌を公開するシリーズ、2回目です。
今日は調査のスタート地点「要約」。
・・・私、講習会で「調査したい技術内容を、50文字程度に要約するのがコツ」です、と、結構長いこと言い続けています。 慣れないとめんどくさいだろうなー、と思うのですけどね(自分も泣きながら書いていたクチなので)。
でも個人的には 「50文字程度にまとめる事ができないと、根本的な部分で検索がうまくならない。ずーっと下手っぴのまま!(暴言?)」と思ってます。
そして残念ながら、練習をショートカットする方法はない、と思ってください。
- 「50字要約」 とはどんなものか
- 「50字要約」の効力が及ぶ範囲
- なぜ、30字や150字でなく「50字」なのか?検索エンジン的根拠
- なぜ、練習をショートカットできないのか?
■ 「50字要約」とはどんなものか
文字通り 「調査対象とする技術内容を、50文字程度に要約したもの」 です。
検索の基本的な成否は、50文字要約がうまくできているか、でほぼ決まります。
この 「基本的な成否」 というのは、最低限
・ 試し検索がうまくいって、
・ 調査テーマに関連する分類記号を、スムーズにピックアップできる
という地点まで、うまくいくこと、と定義します。
※ 正しい分類を選んでも、検索式の組立て方をミスすると、正確な検索はできません。
分類を正確に使うことや、検索式の組立ては「別スキル」 ですね。。。
あとは 「資料抽出」 に結構影響します。
# ヒトは、脳内に持っているイメージに沿っていないと、情報を探しにくいので。
50文字要約の実例、ふたつお見せします。
たとえば
「アイスクリームの内部に、チョコレートを薄く、層状に入り込ませる事により、独特の模様と食感としたもの。」 → 50字(「。」までカウント)
「茶葉から抽出した茶カテキンを添加することにより、体内の酵素を活性化させ、体脂肪消費効果を高めた緑茶飲料。」 → 52字(「。」までカウント)
上記のような感じ・情報のボリュームです。
この要約を、試し検索に使います。
# 具体的な使用例は、後日の「試し検索」 の回で!
■ 「50字要約を書くこと」の効力が及ぶ範囲
私は 「技術内容で検索する場面、すべて」 と考えています。
そもそも・・・
技術内容の検索も、そうでない検索も含めて、
「検索する場面」 は、次のように分類・定義づけできます。
[1] 必ず存在するとわかっている情報、を調べる → 特許調査なら「番号検索」 など
[2] 情報が手に入ればOK。「全部」でなくていい → 簡単な「技術情報の収集」 など
[3] 網羅的・徹底的に情報収集する → 侵害予防調査など
技術内容からの調査は、上記では [2]か[3] に入ります。
そして、効力の及ぶ範囲も [2] と [3] です。
これが 「技術内容で検索する場面、すべて」 という意味です。
調査業務の流れでも、全体に影響します。
要約した調査ポイントに基づいて、試し検索する。
同じポイントに基づいて、分類を探す → 式を組み立てる → 資料抽出する、という流れです。
調査ポイント設定が「微妙」だと、抽出資料まで「微妙」になってしまうのですよ~(汗) (本当に)
やや脱線しますが、
企業向け講習で、よく頂く依頼に
「技術者の出願前調査のクオリティを、もう少し高めたい」というお話しがあります。
調査場面としては [2] 情報が手に入ればOK、 で、その中でも質・量を高めたい、というお話、と考えられます。
実はいまどき、データベースの操作に戸惑う方の割合は、どんどん下がっていて、
「検索がうまくいかない」 というのは、
・ 調査ポイントの設定が、もうひとつ なのか、
・ 同義語・類義語という概念に馴染んでいない、 か、
・ 特に [3]の調査がもつ 「抽象性」 が理解できていない。
・・・と、ざっとこのあたりに原因がある事が多いのですね。
今、3つポイントを挙げましたけど、
たぶん、検索がうまくいかない 「最も根本的な原因」 でもあるし、
ここを改善すると 「一挙に、全体に効く可能性もある」 のが、
案外、調査ポイントの設定で、
それを練習する 「型」 が、50文字要約。
そんな風に考えて頂くといいのかな、と思います。
# あ、「抽象性」 の話はまた別の機会に。
抽象性は「基本の検索スキル」ではなくて、応用面の話になります。
あと・・・
検索者の能力を簡単に試す、ひとつの方法として
打合せをしたその場で 「50文字要約」 みたいなのを、言ってもらう手があります。
文字数は数えにくいと思うので 「30秒くらいを目安に、短文で言ってもらう」 感じです。
# ・・・な~んて書いちゃうと、クレームがくるかな??(爆)
打合せをした時って、一番 「記憶が鮮明」 ですよね?
調査ポイントも、理解できて打合せを終えているはず、ですよね?
短文要約の訓練ができている/できていない、で、若干の有利/不利はありますが、
基本、的確な短文要約ができないと、検索はうまくいきません。
打合せ直後に、短文要約ができないとしたら、ちょっときびしいかなぁ・・・と。
短文要約がずれている、という状態だと、
試し検索も、検索式作成も、資料抽出も、
全部ずれてしまう可能性、ありますものね・・・ (書いてて辛くなってきたわー)
万が一、
「うわっ、短文要約、どうしてそのポイント設定になったし!?」
という場合は、その場で軌道修正もききますので、かなりおすすめです。(にっこり)
更に念押しさせていただくと、
「技術内容の説明が、正確にできる」 ことと、
「短文要約でも、ポイントがずれていない」 こと、
基本的には別スキルです。
だって、技術者の方は、皆さん技術内容を正確に理解したり、説明したりできますよね?
でも 「エンドユーザーの検索がうまくいかない」 ってご相談、多いのですよね。
技術の理解と、短文要約ができる事は別、というのは、そういう事です。
今日は、すごく脱線してしまいましたが・・・
続きもお楽しみに~
質問ありましたら、コメント欄から遠慮なくどうぞ。
→ 続き: 調査のスタート地点「要約」2~基本の検索スキル3
http://blog.1smartworks.com/2012/08/Abst-2.html
□基本の検索スキルシリーズ一覧はこちら□
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