特許検索の初級講座、内容の全貌を書いてみるシリーズ、5回目です。
今日は 「試し検索」 について。
- 試し検索の目的
- なぜ、同義語・類義語・異表記を使うのか~50字要約との関係
- 件数が多すぎたら、どうするか
をお送りします。
■ 試し検索の目的
ズバリ! 「検索に使えるFI記号を特定すること」 です。
ぼんやりと 「様子を見よう」とか「何か関連する分類を探してみよう」 ではなくて、
FI記号を特定する。
試し検索の段階では、ここだけに集中する事が大切です。
下の図でいうと、キーワード → FI記号、の検索をします。
「なぜFI記号を最初に選ぶといいのか」 の理由ですが、
簡単にいうと、
・ 日本で使われている特許分類、3種類の中で基礎情報になっている。
・ 特に、FI記号とFタームは、必ず関連があるので、これに基づいて探すのがベスト
だからです。
※ 分類について深く知りたい方は、講習テキストの「FI・Fターム」を見て頂くといいかも!
■ なぜ、同義語・類義語・異表記を使うのか~50字要約との関係
さて、試し検索の時は、
1) 50字要約から、キーワードを抜き出して、
2) 適宜、同義語・類義語を追加する のでした。
50字要約から | 追加キーワード (同義語・類義語) |
茶葉 | |
カテキン | ポリフェノール |
体脂肪 | 脂肪、脂質 |
緑茶 | 紅茶、ほうじ茶、抹茶、煎茶、烏龍茶 など |
そして、
式1)キーワード=茶葉
式2)キーワード=カテキン+ポリフェノール
式3)キーワード=脂肪+脂質
式4)キーワード=緑茶+紅茶+焙じ茶+・・・・・
式5)集合1×2×3×4
という検索をします。
この式の 「式5」 でAND演算するのは、大丈夫でしょうか~?
茶葉 から抽出した カテキンで、
なおかつ、体脂肪を燃やす効果があって、
なおかつ、「お茶」タイプの飲料で提供されるもの、
すべての条件が揃っている公報を探す = AND演算 ですよ☆
さて、ここで微妙に勘違いされやすいのは、
「同義語・類義語・異表記を使う事で、検索漏れを少なくする」 と思ってしまう方が、案外多いということ。
試し検索の段階では、これ、ちょっと違います。
もちろん、漏れを減らす効果も出るんですが、
どちらかというと、ここでの同義語は 「検索の初速をあげる=スピードアップ効果」 を狙ってます。
photo credit: riekhavoc (caught up?) via photo pin cc
試し検索をボウリングに例えると、
「50文字要約からキーワードを抜き出しただけ」の状態は、
「ほぼ正確にセンターピンに当たる球」ができた状態。
但し、かなり小さい球だったりする、というイメージです。
検索の方向性は正確なのですが、
それだけでは、ボールが小さく、ピンが倒れません。
検索結果でいうと 「ほとんどヒットしない」 状態です。
「50文字要約中の語に、同義語・類義語・異表記を追加した状態」は、
球が転がる方向・狙いはそのままに、
ボールを大きくするイメージです。
方向性が正しく、ボールも大きくなるので、ピンが倒れやすくなります。
検索結果は 「件数が増えた」状態です。
つまり、同義語・類義語を追加することによって、
最初のヒット件数を増やすことができ、
分類(FI記号)選択がスムーズに。
そして、初期の検索がスピードアップできる、という仕組みです。
■ 件数が多すぎたら、どうするか
試し検索で件数が多すぎたら・・・?
答えは「適当に見て、中止する」です。
つまり、全部は見ません。
えええーーー!?
っと言われてしまうかもしれませんが、
「試し検索」 のキーワードは、
「お試し」の時点で思いついたキーワードにすぎません。
通常、FI記号やFタームを使ううちに、
かなりの確率で 「試し検索では、思い出せなかったキーワード」 に出会い、
キーワード検索をやり直したくなるはず・・・なのですよね。
ですので、「試し検索は、分類を探すためのお試し」 と、割り切っていいと思います!
(少なくとも、私はそうしています。微笑)
「適当に見て、中止する」手順は
- なるべく、発行年の新しい方からスタート。 ← ここ大事!
- 複数の公報をチェックし、
- 「これ」というFI記号を、最低ひとつ特定できたら中止 (調査の目的によって、複数探す事もあります)
・・・となります。
それでは、また次回♪
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