調査に関する基本的な事を動画でお伝えしております。
今回のテーマは、
「分類を選択する〜本検索のスタート」
このシリーズでは、
実際に酒井が作業している画面を、共有してお届けします。
2回目の今日は
普段使っているJP-NETの画面を使って
「分類を選択する〜本検索のスタート」までを行います。
〜前回の復習〜
【調査の手順】
1)試し検索
2)本検索
【試し検索の目的】
この検索の方向性で拡張してしていって上手くいくのか、
方向性の確認です。
キーワードだけで検索していくと、精度が上がっていきにくいので、
精度を上げる目的で、特許分類の特定をしていきます。
簡易調査の場合はここまでで終了する場合もあります。
【試し検索から本検索へ】
本検索は、精度を上げていくというフェーズになります。
キーワードだけでマスクの特許を全部探せるかというと、そこは不明なので、
私たちサーチャーは、検索の精度を上げるために、
特許分類をあいだに一回かませ、未知なる言葉をカバーするという方法をとります。
分類を使った結果を見ると、知らなかった表現や言葉を探す事ができます。
この2サイクルで精度を上げています。
今月は、
「画面操作や、実際の検索中に酒井が何を考えているのか」
などをお伝えしていきます。
〜先週の作業の説明〜
まぁまぁ狙ってるようなものが見つかって、
この方向性で行けばよいとわかれば試し検索はOKなので、
500件あっても全部は見ないです。
この、番号で記してあるものが、公報です。
発明の名称はそのままですね。
「どんな布でもマスクにできる道具」
「マスク兼用ティッシュペーパー」
〜画面上で解説〜
ここから分類を見ていきます。
私と同じデータベースを全員が使われているかわからないのですが、
一般的なID、パスワードを入れるようなデータベースでは、
分類表が入っているものが多いです。
私はデータベースにあるものはあまり使っていなくて、
特許庁のJ-PLat-patの分類表を使っています。
基本的な分類選択が特定できているか
「分類選択は迷う」
というご質問をいただきます。
【分類の選択について】
特許分類には
FI記号
Fターム
IPC
の3種類があります。
【3種類のうちどれを使うか】
日本特許の場合、私は用途別で決めています。
Fタームで良いものがあれば、Fタームを使います。
他には、
特許の侵害予防調査の場合は、断然FIです。
また合わせ技で「他社の国際公開も探したい」場合は、
IPCを併用する事もあります。
更にFタームは調査テーマに合うものあった時に、
検索漏れを予防するために使います。
侵害予防調査は検索漏れしたくないですものね!
無効資料調査は、どれを使ってもいいですね。
先行資料が見つかればよいので、
分類表を使わないで、キーワードだけで見つかったら、
それでも全然問題ないです!
「なぜそれを使うの?」
という理屈の話については、
また別の機会にお話しますね。
・・・というわけで
「分類の選択」は、2つの質問に分けて整理しましょう!
種類は用途にあった分類がありますので、
用途によって選んでいます。
ケースバイケースとして、ご依頼の時に特殊な条件がついていたりしますので、
その時は条件に合わせて使うものを選びます。
調査の出発点に合わせて選んでいます。
たくさんある分類の中からどれを選ぶかなのですが、
検索したいテーマを50文字くらいに要約すると見つけやすくなる
というお話をしています。
テーマを要約したものが、試し検索のキーワードになったりするので、
「そことのイメージが合うか合わないか」です。
基本的にはそんな所で、
世の中には複雑な発明もありますので、
複合的に考える必要があるケースもありますが、
調査も素直さが大切かなと思います。
理論ぽい話をしてきましたが、
分類表を改めて見ていきましょう。
これはFI記号という分類です。
ここに
・衛生マスク
・その他のマスク
という分類がありますので、この辺りが使えそうですね。
ここにFタームという分類があります。
先ほど分類を選ぶ時の説明で、
「先行例調査だったら、めぼしいものがあればFタームを使いたい」
とお伝えしたと思うのですが、
この「めぼしいもの」というのも、
調査テーマに近い分類があるかどうかです。
リスト印刷というボタンを押すと
表形式になっているものが出てきます。
この中にめぼしい分類があるかどうかを見ていきます。
〜確認中〜
最後まで見て見ましたが、今回Fタームは使えなさそうですね。
そうなると、
・衛生マスク
・その他のマスク
・防塵用
なども入ってきますが、こういった時は、
マスク全部でもいいのかな、という風に選択をしていきます。
では、FIを使うと決めました。
この分類のマスクは、試し検索でいうとどの概念を含んでいるかを見ていきます。
マスクの分類でどれくらいあるでしょうか。
およそ3000くらいですね。
実際にやっている手順で進めます。
〜作業画面参照〜
今日は抄録画面で確認していきます。
こんな感じで、分類を使っているので、
マスクの特許出願だけ出てきます。
これと、前回やったキーワードで検索したものを比べます。
キーワード検索では、マスクではないものが一定数入ってきます。
ですが、マスクの分類を使う事によって、
発明の主題がマスクのものだけ出てくる感じになりますので
調べたいテーマに近づいた集合を取る事ができます。
という事で、
今日の検索はここまでにしたいと思います。
今日は
1)FIを選ぶ
・FI・Fターム・IPCの選び方
2)大量の分類表の中からどんなものを選ぶのか
というのをやってみました。
Fタームを使わないので、
次回はそんなに検索式が巨大化する事は少ないかなと思いつつ、
例えばこの「マスク」と言っていない発明がどれくらいあるのか、
本当にあるのか、
といった、キーワードを充実させる所も取り扱っていきたいと思います。
検索の第2回目
「分類選択〜本検索スタートする所まで」
終わりにしたいと思います。
次回はもう少し検索式を精度が上がる所までやっていきたいと思います。
(時間は37分ほどです)
▼視聴URL
YouTubeからはお好みの速度で視聴していただけます。
次回 4月21日のテーマは
「本検索(検索式ブラッシュアップ)」
▼視聴はこちらのURLからどうぞ
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