知財系界隈(?)では、昨日から大きな話題になってますね。
サントリー、アサヒを提訴 「ドライゼロが特許侵害」(日経Web版)
Today's photo |Beer in Bruges by Philipp Reutter on 500px
きちんとした分析などは、
とてもとても、できませんけれど・・・
対象の特許くらいは、見つけてみましょうか。
日経の上記記事によると
とのことでしたので
こちらの2件が該当、と思われます。
※追記|サントリーの「お知らせ」 ならびに
アサヒビール「ニュースリリース」によると、
今回問題になっているのは片方のみ、特許第5382754号とのこと。
アサヒビールのニュースリリースの方が、少し詳しいです。(3/11 PM)
・・・ええと、ちょっと長くなりそうなので、折り畳みますね。
Espacenetで見ると2件は「パテントファミリー」として、
1件のレコードにまとまっています。
他国の出願~公報発行状況は、次の通り。
ひとまず、上記で判明しているのはWOを除いて7ヶ国分の出願、です。
ここで、JP(日本)の行に注目です!
(A)が公開、(B1)が登録の番号です。
パッと見、公開-登録のセットが2組、と思いますよね?
違うんですよ、これが!(笑)
'220の公報を、穴が開くほど凝視してみると?
↓↓↓
※クリックでちょっと大きくなります。
公開番号・・・
・・・
・・・・・
・・・・・・・・?
載ってなくないですか?
それに、早期審査もしていますよね。
そう。
公開前に、登録公報が出ているのです。
では、どういう状況なのか?というと、
まず、このパテントファミリーに属する日本特許は3件あります。
'220が親で、2回の分割出願をしています。(↓はIPDL・経過情報より)
※だから、Espacenetでも「パテントファミリー」なのですね。
IPDLで見たところ、審査は進んでいませんでした。
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話は変わりまして。
サントリーさんの事、時々講習ネタに使わせて頂いてます。
こんなスライド。
有名な「花王ヘルシア」との比較なんですけど・・・
サントリーは、1980年代から茶飲料(ウーロン茶)を手がけてきた。
一方、花王は全くの異業種からの参入。
しかし、花王の特許網が強力だったため、
サントリー「黒烏龍茶」の市場投入は、
「ヘルシア緑茶」の3年後となった、という、有名なお話です。
スライド中で紹介している
「他の産業と比べて食品業界は飲料の原材料について
いちいち特許取得するという風潮は少なかった (サントリー)」
というコメント、
元記事が、こちらで読めます。
↓↓
HOPSで経験した苦い思い、ヘルシアの経験とサントリーの知財戦略
(モノづくり最前線レポート(16):
「動的」知財マネジメントが円盤型市場を切り開く|MONOist2010年01月27日)
記事中では、次のように紹介されています。
また、発泡酒でもこんな事があったそう。
上記のスライドを説明するときにも
この記事は、いつも引用させて頂いていて、
そのたび、
「当時、どんなに衝撃を受けられた事だろう」 と思っていました。。
そして、今回の報道。
サントリー、アサヒを提訴 「ドライゼロが特許侵害」(日経Web版)
HOPSで経験した苦い思いの記事を踏まえて、
今回の報道を見聞きすると、
ノウハウの蓄積や、
知財力の強化なども、想像に難くないな、と感じます。
それでは。
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