代表取締役・酒井美里ブログ
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2019/06/07
検索とヒット率について思うこと
今週はプロ技講座(2日間)の開講でした。
「検索のプロ」と聞いて、イメージする事は
きっと人それぞれなのだと思いますが…
自分が講座でお伝えしたいと思っているのは、
「いつも安定感のある検索」。
必ずしもスマッシュヒットは飛ばさなくてもよくて、
その代わり、10回、100回と検索しても
「うまくいかなかった回」というのは、特にない。
平均点75点の、最低点は65点、みたいな検索です。
そして・・・
検索で取り出すべき集合って、
目に見える(可視化)わけではないのですが、
仮想的に「下図の山頂付近(A)がズバリ公報の密集地帯」だとしますと、
理想的には、早い段階で(A)を見つけて、
山麓方向に調査範囲を広げていきたいものです。
「調査テーマに関係するけど、ちょっとズレているんだよね・・・(B)」
を、正解集合だと誤認してしまうと、
調査範囲を広げる過程で運良く(A)が拾えたらいいけれど、
そもそも、正解の誤認をしているわけなので
(A)は永遠に圏外、って事もありそうな気がします。
次に、正解(A)地帯から、調査範囲を広げる話。
A地帯から始まって、
ラインAより上 件数は100件、正解率90%
ラインA-Bの間 件数は300件、正解率70%(=ハズレ公報90件)
ラインB-Cの間 件数は600件、正解率30% (=ハズレ公報は420件)
・・・というような状況、よくあると思っているのですが、
これって、2つの要素があって、
1)A→B→C、は「優先順位」と言い換えられる。
そして 「その優先順位は正しいか?」が問われる。
2)査読を伴う調査の場合、件数は概ね調査費用と比例する。
+300件(うち、不正解90件)を許容するか?
+600件(うち、不正解420件)ならばどうか?
その判断って「安心料」と表現される事も多いんですが、
費用的な損失を回避するのか?
侵害などによる損失を回避するのか? の選択なのでしょう。
この話に関連して・・・
①は、技術分野的に発行済公報数が多くて、
そこそこの母集団(=中腹の線より上)を設定しても、
他に気になる公報(=線より下)が残っているぞ・・・
というケース。
②は、発行済公報が少ないケース。
そこそこの母集団を設定すると、大半の関連公報が拾えるパターンです。
今日は長野本社にいて、
何件か検索原案を作成したのですが、
うち1件が、②のパターンっぽかったです。
一度、弊社で原案を作成し、ご提案済みのものでしたが
キーワード・分類の追加のご要望があり、
ご要望の項目を追加して、
改めて検索式を流してみたのですが・・・
幸か不幸か、広げた範囲にはあまり該当公報がありません。
(②の図、「?」のエリア)
最近の公報から発行日順に30件、抄録を確認して
該当公報はゼロ。
単純化すると
「残り数百件を見た時、当たり公報が出る可能性はおよそ3%以下」
と推定されます。
個人的には「もったいないなぁ・・・」と感じてしまって。
率直に「この割合では勿体ないと感じましたが
安心料、の考え方もあるかと存じます。」と
ご連絡しました。
今週のプロ技講座にご参加くださった方は
「ああ、あの話ね。」と思って頂けるかと思います。(微笑)
6月の代行調査も混み合ってきております。
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