調査とヒアリング/警告状を送る気持ち・・・? (1)
David von Diemar
こんにちは!サーチャーの酒井美里です。
「警告状を送る気持ち」(1) では
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権利行使をしてくる「誰か」は
の両方を持っている「誰か」だ、と考えられそう
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と書きました。
両方持っている人が「危険人物」かも! とも。
私は、その「動機」って
・経済的な合理性で説明がつくもの と
・合理性だけでは説明ができないもの
があると思っていて、
経済的合理性の典型は
「他社を排除したい」とか「実施料収入が欲しい」みたいな動機
合理性で説明がつかないパターンって
感情のもつれとか、恨みとか、が典型かと。
で、今日は経済的合理性のお話
この年末年始、かなーり売れたらしい
「世界標準の経営理論」という本。
別名「枕」と言われているらしい・・・
とても分厚い本、でも、読みやすいです。
この本の序盤、第1章から
「完全競争と完全独占」という話が出てきて、
「自社の競争環境をいかに完全競争から引き離し、
完全独占の方向にシフトさせるかがSCPの本質」
ってあります。
とても単純に言うと
完全独占の方が、利潤が大きくなるから・・・ という話なのですが
※一旦、記事を折り畳みます。
この項目を読んでいて
「権利行使って、合法的に右にいく手段のひとつでもあるなー」
って思ったのです。
自社の属する業界、とか、競争環境が
完全競争/完全独占 のどちらに近いか? は
「だいたいのイメージ」を持ちやすいと思うのですが
権利行使で
他社製品の実施を控えさせるとか
「実施するなら、特許の実施料をください」というのは、
右に近づけるイメージでしょうし
模倣がはびこると
完全競争に近づくので左に行くし、
新規参入者が多いのも 左に近づく状況なのだけれども
模倣/新規参入 のハードルを上げて
競争環境が左に寄るのを防ぐのも
知的所有権の使い道、といえますよね。
「侵害予防調査のヒアリング」という話に戻ると
自社の立ち位置 と 周囲との関係 とで
「どんな風に権利行使の動機が作用するか」が変わり得る、と思ってます。
たとえば・・・
自社・他社含めて
左側の立ち位置で競争している、という時に、
良い権利が取得できたら、
他社の製品実施を牽制して競争から抜け出す(=右に移動しようとする)
というのは
ベタですけど、経済的な合理性はありそうです。
別のパターンで
右側で独占的なビジネスができてきたのに、
最近、続々と類似商品の参入があって、シェア低下・・・となると、
製品実施をやめさせるか? (=右側の地位を保とうとする)
それとも
実施料収入を得て、利益を自社に還流させるか? と考えるのもそうかな、と。
いずれにしても・・・
「誰と競争していて」
「競争相手は、どうしたら右に移動できるか」
「そのために何を仕掛けてきそうか」
というのは、ポイントのひとつになりそうです。
ただ、競合関係ってそんなに単純な事ばかりでもなくて、
「お互いのシェアを維持し合う方が、結局メリットがある」
みたいな事もあるよね! って思っています。
というのが次のお話になる予定。
もう少し続きます^^
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