<同じ業界に長くいると、一般の感覚がわからなくなる、って、これなのねー!>
期待の新人★内勤サーチャーの加入に伴い、
長野事務所にいる日には、OJTをやっています。
(久しぶりだなー!OJT。)
知財業界は初体験、の新人さん。
私どもには「当たり前」「常識」の事柄が、
やっぱり、とても不思議に思えるそうです。
よく「同じ業界に長くいると、
一般の感覚がわからなくなる」って言いますが、
本当にそうだな!と実感させてもらう毎日です。
今日のお題は 「特許を潰す」=無効化調査。
しかし・・・
一応、かみ砕いて説明してみたつもりが、
浮かない顔をされまして。
「特許って、潰せるもの、なんですか?」
「一旦登録になった権利が、なくなってしまう、って
もう、全然意味がわかりません。」
おおお。
そうか!
一般社会(?)から来た人には
「権利がなくなる」
という感覚が、わからないのですね??
ということで、私の説明を書いてみたいと思います。
特許法は極力持ち出さずに説明してます。
なので、長いです。(たぶん)
新人教育などをされる方には、
何かしら、拾ってもらえる部分があるかも・・・?しれません。
それではまいります。
特許を潰す、というのは、
「通称」的な言い方で、
もう少し正確に言うと
「特許権を無効化する」
「特許権を無力化する」という感じになります。
特許権を持っている人は、
実際に「どんな権利」を持っているか?というと、
たとえば、
特許の内容と同じ製品を他人が作って売っていたら?
「うち、特許を持ってます。」
「だから、同じ製品を売るのはやめてください。」
という権利がある、ということです。
これ「差止の請求ができる」っていうんですけどね。
ということは・・・?
何か「製品を作って、売りたい」という時に、
他の人が特許権を持っていたら?
「それ、売るのやめてもらえますか?」
って言われる可能性がある、ということですよね。
(これ、安心して商売できませんよね。)
それでは・・・
その特許の「権利」がなくなれば、
安心して商売ができる、と。
権利がなくなる、って
どんな場合があったか、思い出せますか?
(出願から20年が経過した、とか)
(維持年金を支払わなかった、とか?)
そうです、そうです!
じゃあ・・・
邪魔な権利を消し去るために・・・
年金を支払いに行く人を尾行して、
銀行に着く前に、体当たりを喰らわす!!!
・・・って、うそうそ。
そんなはずないですよね?(捕まります。笑)
あのですね。
特許制度の中に
「合法的に、特許を無効化するための制度」も
用意されているんです。
(えーー!そうなんですか!?)
↑
どうやら、ここが謎だったように見えました、
ワタシ的にはね。
無効化の制度は3つもあって
・無効審判
・異議申立
・情報提供
といいます。
あ、今は名前は覚えなくて大丈夫ですよ。
どの制度を利用する場合でも、
わけもなく
「あの特許、邪魔なので無効化してください」
というわけにはいかなくて、
特許権を無効にするのが妥当、と判断できる証拠を
特許庁に提出する必要があります。
それが「無効資料」。
特許庁に提出するための、証拠資料を探す。
できれば、より説得力のある資料を!
・・・というのが、無効資料調査です。
※実際には特許庁に提出しないケースも多いけど、
※それはまた、別のお話ということで。(微笑
・・・というわけで
「どこがわからなくて困っているのか」
私もなかなか察しがつかなかったのですが、
・特許を与える制度だけでなく
・特許を剥奪する制度もある
というのが、謎を深めていたみたい。(たぶん
私も
「そういう所がわかりにくいのか!」と
とても勉強になってます。
外部での研修にも、反映していけそうです。
それでは。
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1 件のコメント:
>・特許を与える制度だけでなく
>・特許を剥奪する制度もある
>というのが、謎を深めていたみたい。(たぶん
それもさることながら、
審査官が調べて「資料がないから」特許になったのに
無効にできる資料が見つかるのですか?
という疑問があるのでは?
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