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こんにちは、酒井です。
最近、「決算が読めるようになるノート」で
こちらの記事を読みました。
とても興味深かったので、全文読んで頂くのがオススメですが、
自分が特に気になったのは最初の項目です。
※太字・赤は酒井の加筆です。
この説明って、なんか不思議じゃないですか??
製造するための工程数が少なくなったら、
工程全体が短縮できそうだし、
歩留まりも上がりそうよね?
って思っちゃうのですが・・・
車だと、そうでもないんでしょうか??
自動車の場合どうか、という点はさておき、
単純に疑問だったので、
サクッと特許を検索してみました。
※記事を折り畳みます。
テスラのような、
新しくて勢いのある米国企業の場合、
私が特許調査する時、早い段階でチェックしているのが
・自前で技術開発をしているのか?
・それとも、社外から技術導入が多いのか? (+特許の譲受)
ということ。
社外からの技術導入が多い場合、
「公報ベース」の特許データベースでは
的確な結果が得られない可能性があるんですよね。
社外からの技術導入が多いか?否か?は
USPTO(米国特許庁)の Patent Assignment Search で判断がつきます。
https://assignment.uspto.gov/patent/index.html
テスラの場合だと
Assignee(譲受人)=TESLA で調べておき、
Assignor (譲渡人)の統計を確認すると、
特許データからは、技術導入の様子は見受けられませんでした。
2017年秋のニュース記事ですと
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生産システムメーカー買収、とあるので、
技術者や設備の導入は考えられそうですが、
ひとまず、TESLAを対象にしたサーチを続行します。
続いて。
TESLAの全出願を対象に、
縦軸に特許分類(CPC) (出現の多いもの TOP20分類)
横軸に出願年 で集計してみました。
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※今回、集計基準は「ファミリー単位」です。
TESLAといえば、
2008年 ロードスター
2009年 モデルS
2012年 モデルX
2016年 モデル3
と、各モデルを発表してきていますが、
特許出願で見ると
2010年頃から 自動車の操行や車体関連の出願が増え、(B62D)
2012年頃から、デジタル伝送(H04L)やICT(Y02D)、
それに、電気部品の組立(H05K)の出願が増えている、という結果が出ています。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・ええと。
電気部品の組み立て、ですって!
もしかしたら、
テスラの製造プロセスって、
一般的な車のイメージより
「電機部品っぽい」かもしれないですよね。
電気部品の組立(H05K)の中で いくつか、
発明の名称・代表図面などのスクリーンショットをとってみました。
※機械翻訳がかかった状態です。
リードの溶接とはんだ付け。入力および出力リード線が高圧接続され、別のリード線から制御入力を受け付ける必要があり・・・オートメーションで効率的に製造可能な、コンパクト且つ強力なインバータを設計する際、各トランジスタの入出力用の様々な電気接続の配置が非常に重要となる と説明しています。
オートメーション化前提の溶接/はんだ付けの出願、と言えそうです。
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US9642276B2
これも端子。ヒートシンクと繋いだりもする、という説明をしていました。
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US9536671B2
最後にもうひとつ。
電力供給系の・・・やっぱり「接続」。
電気自動車は非常に大きな電流を経路指定してコントロールするし、
搭載しているデバイスの数も多い。
最適配置する事によって、潜在的なエネルギーロスも減らせる。
・・・といった事を説明しておりました。(たぶん)
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US2012/0305283A1
当たり前の事なのかもしれませんが、
テスラの「デバイスや電気部品そのもの」の出願は、ほとんど見当たりません。
多分、外部に発注しているのかな?という気がします。
そして、近年増えている「電気部品の組み立て」の分野。
ざっと見た印象では
端子の接続、や
部品の最適配置、といった
「すでに基本部品はある。→どう組み立てるか?」
的なテーマが多いように見受けられました。
そして、販売開始時期のあたりから
「電気部品の組立」の出願が増えているのは
単純に面白いなぁ、と思います。
本当のところは、わかりませんが
量産が始まってみたら、
手作りの試作時代とは勝手が違う事が
いろいろ生じているのかもしれないなぁ。。と。
つい、想像してしまいます。
それでは。
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