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※こちらは旧・アメーバブログ過去記事の再編集版です。
今回は出願人検索のポイント、その2です。
今回は、ポイント3~5の解説です。
3.関連会社をチェック。
・・・関連会社のチェック方法は、
前回の「新・旧社名」と、ほぼ同じです。
調べたい会社について、
●Webサイトの「企業情報」「関連会社一覧」「組織図」などの項目を見る。
●パトリスサーチガイド でチェックする
・・・の2つです。
ちなみに、両者の情報が違っている事、多いです。
例えば、
パトリスサーチガイドは、
過去に特許出願人になっている会社名が中心なので、
グループ企業でも、特許を出していない販売会社などは、
企業のWebサイトでは出てくるが、
パトリスサーチガイドには出てこない、って事も起こります。
逆に、
今はWebサイトにも出てこない旧・関連会社が、
パトリスサーチガイドには載っている、など。
どちらが正しい、という事ではなくて、
リストとしての性質が違うので、
より、万全を期すためには、両方を見比べると良いと思います。
4.合併等の履歴はないか。合併前の社名は必要かを確認。
合併についても、確認方法は
「新・旧社名」「関連会社」 とほぼ同様ですので、割愛します。
この項目で、個人的には「大事かな?」と思うのが、
合併前の社名まで含めた検索が必要かどうか、の確認です。
いくつか、実際の例を挙げてみます。
A.同業界での合併
新日本石油の前身、日石三菱株式会社の例です。
例えば新日本石油の「石油精製技術」を調査したい場合、
元々の「三菱石油」や「日本石油」も、
それぞれ特許出願をしていただろう、と想像できます。
この場合は、
日石三菱+三菱石油+日本石油 ・・・
と、旧社名をできるだけOR演算した方がいいですよね。
B.いわゆる吸収合併
ソニーとアイワの例です。
最終的な調査対象が「ソニーのデータ配信・課金モデル」だとすると、
元々、カセットテープレコーダーやラジオなどを作っていて、
アナログ商品主体だったアイワは、
「出願人名として、OR演算しておいても良いが、
入力しなくても、特に支障はない。」
という場合も、あるかもしれませんね。
C.権利調査、侵害予防調査などで、かつ、合併年代が古い場合
ある企業について、現在も権利存続中の特許を調べたい場合、
合併の年代などを見ると、「旧社名はいらない」というケースも発生します。
例えば、セイコーエプソンの例。
旧・諏訪精工舎とエプソンが合併して、現在の会社になったのが1985年ですから、
当時の出願は、既に権利期間を過ぎています。
この場合には、「旧社名は検索に使わなくて良い。」と判断できます。
5.譲渡済み特許の情報は必要か。
上記とは逆で、
「社名としては、はっきりわからないが検索に含めたい」
という検索もあります。
ある企業の保有する権利を、とにかく全部調べたい
という場合です。
これですと、
権利として持っているもの全部、ですから
公開または登録以降に、譲り受けた特許
も含めて検索したい、という意味になりますし、
更に、譲渡済の特許は不要なのかもしれません。
ここは、案外、
依頼者の方が意識されていない場合もあるので、
打合せの時などに
「譲受した特許も、同時にリストアップしますか?」
と、一言確認されると、良いと思います!
・・・サーチャーとしての株 も上がります・・・きっと。
で、肝心の 「調べる方法」 ですよね?
一例として、
JPNETですと、ASD (特許権者(差分)) コマンドで検索します。
このコマンド、文字通り
「経過情報から、特許権者の差分情報」
を抜き出して作成しているようで、
検索すると、譲受と譲渡、両方の情報が出てきます。
出願人=トヨタ自動車株式会社
と、AND演算、NOT演算すると、
AND演算 ・・・ 譲渡したもの。共願などを名義変更したもの。
NOT演算 ・・・ 譲り受けたもの。
という風に、分離することもできますし、
一般的には、数件~十数件単位、って事が多いので
目視で分けても大丈夫かと思います。
※他のデータベースでも、
同様の機能を持つものが多いです。
詳しくはリファレンス資料、ヘルプデスク等でご確認くださいね!
ここまでの項目を確かめると、
検索対象の会社名が、かなり明確になっているはず。
そろそろ、検索できそうですよね?
次は、リストの6 「法人格の入力方法」 に続きます。
~次回に続く~
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