こんにちは!サーチャーの酒井です。
先日「ユーラシア特許/ベラルーシ特許」の検索をお預かりしました。
その際「現地表記はやっぱり無視できないな」「キリル文字って不思議。。」と思ったので、その事を書いてみます。
例題はフランスのサンゴバン社。ガラスメーカーです。
私の中で サンゴバン(Saint-Gobain) といえば、
元々はフランスの王立鏡面ガラス製作所。
ベルサイユ宮殿「鏡の間」の鏡を作ったり、
ルーブル美術館のガラスを作っていたり。
個人的には「かなり素敵」なイメージです。サンゴバン。
一般的?な工業用素材も作っています。これは自動車用かな。
・・・はっ!つい語ってしまった。。
大変失礼いたしました。
で。
検索の話。
「ユーラシアとベラルーシ」で「サンゴバン」でしたね。
この検索の手順やポイント、次の通りです。
(記事を折り畳みます)
・・・このあたりがポイントなのかな、と。
※以下、GPIを使用している箇所は、
※Espacenetに置き換えても、ほぼ同様の検索ができます。
まずGPI検索から。
ユーラシア特許は
ベラルーシ特許は
既に「ユーラシア特許の基本的なリスト」は作れそうですね。
そして、
キリル文字表記のレコード(データ)があるか?ないか?ですが・・・
まず、キリル文字表記を確定しなければなりません。
手軽に使えそうな手段として
などが考えられるのですが、
まず・・・サンゴバンの本国サイトって、
こんな調子↓ ですからね。(汗)
https://www.saint-gobain.fr/
素敵すぎ & フランス語の壁で、
「各国のサンゴバン」コーナーを探し当てるのは
なかなか難しそうですw
このような時は、イチかバチか Googleで。
と検索すると
下記のように結果が出てきました。
上が公式ページ
下はロシア語版Wikipediaです。
Сен-Гобен = Saint-Gobain
という事がわかりますので、
先ほどの検索条件に反映すると。
少しだけ件数も増えます。
Espacenetって、アルファベット収録が多いのですが、
やはり、現地表記を完全無視、というわけにはいかないな、と思いました。
Espacenetで表示すると、このように。
(クリックで拡大します)
PCT経由の出願が多い印象でして、
それなら、WO公報のデータと紐付けて英語表記、になっても良さそうですが、
主要書誌が現地データのままになっている、という感じでした。
(理由はよくわかりません)
ちなみに先ほど言及した
「アルファベット → キリル文字、の変換サイト」。
ローマ字キリル文字変換
今回、上記サイトで「Saint-Gobain」を変換してみたところ
残念ながら、正解の表記は得られなかったのです。
ロシア語圏に出願している、という事は、
一定の企業活動を営んでいる可能性が高そうなので、
公式サイト等で表記が確認できればベスト、ではないかと思います。
これは、キリル文字に限らず、
「よくわからない言語」全般に言えそうです。
さて、基礎的なデータも入手でき、
またキリル文字表記も判明しましたので、
■ユーラシア特許庁 データベース
http://eapatis.com/
(2018/07現在、英語版は動作しない)
■ベラルーシ特許庁 データベース
http://belgospatent.by/database/index.php?pref=inv&lng=ru&page=1
を使います。
ずいぶん長くなってしまったので、
詳細説明は省略いたしますが、
ユーラシア特許庁、私が使おうとした時点(2018/07)では
英語版ページはエラーになり、開く事ができませんでした。
またСен-Гобенの ハイフン は受け付けないようなので
と検索しました。
ベラルーシ特許庁は、元々 キリル文字表記のページだけです。
ブラウザの翻訳機能で
検索項目を判読する事は可能でしたので、
出願人、あるいは特許権者の項目に
Сен-Гобен
と入力すると、検索ができます。(ゼロ件だったんですけどね。。)
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めったにない「キリル文字の検索」。
仕事は真剣にさせて頂きつつも、ちょっと楽しかったです。
(ありがとうございます)
考えてみると、
海外の方々が日本特許をサーチする時って、
こういう感じなのかもしれませんね。
「木」と「本」とか
「石」と「右」とか。
欧米の方、間違えたりしないのかな?
逆に
「発酵」と「醗酵」が同じなんだ、とか
理解に苦しむかも・・・しれないし。
なーんてね。
それでは!
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